初めてのiDeCo NISA 選び方ガイド

iDeCo NISA 自分に合ったリスクは? 許容度を知る方法 初心者ガイド

Tags: iDeCo, NISA, リスク許容度, 投資初心者, 資産形成, 老後資金, 運用方法, 選び方

iDeCoやNISA、始める前に「リスク」への向き合い方を考えましょう

将来のための資産形成として、iDeCoやNISAに関心をお持ちの方は多いかと存じます。非課税で効率よく資産を増やせる可能性がある制度として知られていますが、「投資にはリスクがある」という言葉を聞くと、漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

特に、これまで投資経験がほとんどない方にとって、大切なお金を運用することへの戸惑いは自然なことです。「どれくらい損をする可能性があるのか」「自分にとって、どれくらいの変動なら受け入れられるのか」といった疑問や不安は、iDeCoやNISAを始める上で避けては通れないテーマです。

この記事では、iDeCoやNISAを始めるにあたり、ご自身に合った「リスク許容度」を見つけるための考え方や、そのレベルを知ることがなぜ重要なのかを分かりやすく解説します。ご自身にとって無理のない範囲で資産形成を進めるための一助となれば幸いです。

「リスク許容度」とは何か? なぜ知る必要があるのか

投資における「リスク」とは、一般的に「価格の変動幅」を指します。リスクが高い運用商品は、短期間で大きく値上がりする可能性もあれば、大きく値下がりする可能性もあります。一方、リスクが低い商品は、値動きが比較的穏やかである傾向があります。

そして「リスク許容度」とは、文字通り「ご自身がどれくらいのリスク(価格変動)を受け入れられるか」の度合いです。具体的には、運用している資産が一時的に値下がりした際に、

といった点を考慮して判断します。

iDeCoやNISAのような長期の積立投資では、一時的な価格変動はつきものです。特に運用初期や市場全体が下落した時には、積み立てた元本を下回る評価額になる可能性もあります。この時、ご自身の「リスク許容度」を把握していれば、必要以上に慌てることなく、冷静に状況を判断し、当初の計画に沿って投資を続けることができる可能性が高まります。逆に、許容度を超えたリスクを取ってしまうと、市場が少し下がっただけで不安になり、焦って売却してしまうといった、本来取るべきではない行動につながりかねません。

ご自身の適切なリスク許容度を知ることは、iDeCoやNISAで選ぶべき運用商品や、積立額を決める上での重要な指針となります。

あなたのリスク許容度を見つけるためのチェックポイント

ご自身のリスク許容度を考える上で、いくつかの重要なチェックポイントがあります。これらの要素を総合的に考慮することで、おおよそのリスク許容度が見えてくるでしょう。

  1. 資産状況と収入の安定性

    • 万が一、投資している資産が一時的に大きく値下がりした場合でも、当面の生活資金や近い将来使う予定のある資金に影響がないかを確認します。
    • 手元の貯蓄に十分な余裕がある方や、収入が安定している方は、比較的リスクの高い運用も検討しやすいかもしれません。
    • 一方、将来の支出(住宅購入資金、お子様の教育資金など)が近い方や、収入が不安定な方は、慎重な姿勢が必要になる場合があります。投資は、あくまで「当面使う予定のない資金」で行うのが鉄則です。
  2. 投資経験と金融知識

    • 投資経験が豊富で、市場の変動や運用商品についてある程度の知識をお持ちの方は、リスクに対する理解が深く、精神的に落ち着いて対応できる傾向があります。
    • 投資初心者の方は、最初はリスクの低い商品から始め、少しずつ慣れていくという考え方も有効です。
  3. 投資の目標と運用期間

    • iDeCoやNISAでいつまでに、いくらくらいの資産を作りたいのか、具体的な目標設定はリスク許容度を考える上で非常に重要です。(老後資金の目標額の考え方については、他の記事でも解説しています。)
    • 目標達成のために必要となるリターンによっては、ある程度のリスクを取る必要がある場合もあります。
    • 運用できる期間が長い(例えば20年以上)ほど、一時的な価格変動の影響を受けにくく、リスクを取りやすいと考えられます。40代後半や50代から始める場合、運用期間が比較的限られる可能性も考慮に入れると、過度なリスクは避けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
  4. 価格変動に対する心理的な耐性

    • これが最も重要かもしれません。もし投資したお金が30%も値下がりしたら、あなたは calmly に状況を見守っていられますか? それとも夜も眠れなくなるほど不安になりますか?
    • 過去の運用実績などを見て、大きな価格変動があった場合に自分がどのような気持ちになるか、想像してみることが大切です。

これらの点を踏まえ、ご自身の状況や性格を正直に振り返ってみてください。

リスク許容度と運用方針の考え方(一般的な例)

ご自身のリスク許容度を把握できたら、それを元に運用方針を考えてみましょう。一般的な例として、リスク許容度のレベルに応じた運用方針の考え方をご紹介します。

これらの運用方針はあくまで一例です。実際の運用商品の選び方や、具体的なポートフォリオの考え方については、別途詳しく解説する記事もご参照ください。

重要なのは、ご自身の許容度を超えた無理なリスクを取らないことです。特にiDeCoやNISAは長期投資が基本です。ご自身のペースで、精神的に負担にならない範囲で続けることが、成功の鍵となります。

まとめ:ご自身に合ったリスク許容度を知って、安心してスタートしましょう

iDeCoやNISAを始める前にご自身のリスク許容度を把握することは、制度や運用商品を選ぶ上で非常に重要なステップです。ご自身の資産状況、収入、運用期間、そして何よりも価格変動に対する心理的な耐性をじっくりと見つめ直してみてください。

投資に絶対はありませんが、ご自身のリスク許容度を知り、それに合った運用方針を選ぶことで、市場の変動に一喜一憂することなく、安心して長期的な資産形成に取り組むことができるでしょう。

もし、ご自身のリスク許容度がまだよく分からない、運用商品の選び方に不安があるという場合は、金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーに相談してみるのも一つの方法です。専門家のアドバイスを受けることで、より安心してiDeCoやNISAを始めることができるはずです。

この記事が、あなたのiDeCoやNISAによる資産形成の第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。